歯の神経を取ったのにどうして痛いの!?BLOG
2021/05/11
こんにちは!『家族みんなのかかりつけの歯医者さん』小倉南区下曽根のたんぽぽ歯科・矯正歯科の院長の吉用です。
いわゆる歯の神経と呼んでいるものは、歯髄(しずい)という歯の内部の構造です。歯髄には痛みを伝える神経と歯に栄養を与える血管が含まれており、実は神経だけではないのです。
この歯髄と呼ばれるものは大変重要で、私たち歯科医師はなんとか残そうと頑張って治療をしていきます。しかし、どうしても痛みを取り除くことができない、歯髄が死んでしまっている(壊死)、感染してしまっている場合は取り除かなければなりません。
そして、その痛みを伝える神経を含む歯髄を取ってしまえば痛みは治るはず!と思いがちかと思います。しかし、歯の痛みというものはそれほど単純なものではありません。
それでは、神経を取った歯なのに痛みが出てしまう原因について説明していきたいと思います。
●歯の神経を取った後の痛みの原因
①歯髄・神経が残っている
歯の神経の通り道は下の写真のように大変複雑で、太い管の周囲に細い管がいくつも走っているような構造をしています。私たちは太い管には器具を挿入して取り除いていくことは可能なのですが、器具も入らないような細い管にはアプローチすることができません。
そのため、太い管を徹底的に綺麗にして神経を取り除き、それ以外の細い管にはお薬の力に頼ることになります。
お薬の効果が届いていない神経では痛みが出てしまうことがあるため、神経を取った後でも痛いという原因の1つになってしまいます。
②細菌が残っている
細菌が残っていると、細菌が出す毒素が神経の管を通じて、歯の根っこの先端から出ていき、歯の周囲で炎症を起こします。これにより噛んだ時に痛みが出たり、触って痛いといった症状が出てしまうことがあります。
③歯の根の周囲に炎症が残っている
神経の管の中の細菌がいなくなっても、歯の根の周囲に治療後の反応としての炎症が残ってしまっている場合もあります。その場合だと、ある程度炎症がおさまってくれるまで、痛みが残ってしまいます。
多くの方は痛みが消えても、炎症が若干残っていた場合、歯を叩くと『響くような感じがする』といった印象を持たれることがあります。治療後の響くような感じであれば、多くの場合、時間とともに改善してきます。
逆に、今まで問題がなかった歯が噛むと響くような感じがしてきた場合、歯の根の周囲に何かしらかの原因で炎症が出てしまっている可能性があるため、注意が必要です。
④新たな細菌の侵入
神経の治療が終わった歯でしばらく問題がなかったが、最近になって痛みが出てきた場合、詰め物やかぶせ物に隙間ができた、あるいは虫歯ができて新たな細菌が神経の管に侵入してきている可能性があります。
かぶせ物が入っている歯で痛みが出てきた場合、これによる可能性が高いと思ってください。
⑤歯が割れた
神経を取った歯は、歯に栄養を与える血管がなくなっているため、若干もろくなっています。さらに、神経を取るほどの歯は虫歯が大きいことから、残されている歯が薄くなっていることもあり、強度がそれほど高くないことも多くあります。
そのような歯に噛む力強くかかったり、歯ぎしりや食いしばりといった大きな力がかかると、パキッ!と歯が割れてしまい、痛みが出たり、その亀裂から細菌が侵入して歯の根の周囲に炎症を生じて痛みが出てしまうことがあります。
割れ方によっては抜かなくてはいけなくなることも多くあります。
このように痛みを伝える神経を取ったからといって、今後一生痛みがでないというわけではありません。神経を残せるようにすることが大切になりますし、神経を取ることで、新たなトラブルを招くこともあります。
痛みを感じた場合には我慢をせずに、一度しっかりと診てもらうことをオススメいたします。
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家族みんなのかかりつけの歯医者さん
たんぽぽ歯科・矯正歯科
院長:吉用 卓(よしもち たく)
国立大学 長崎大学歯学部出身
福岡県北九州市小倉南区沼本町1丁目10-2
HP:https://www.tanpopo-kokura.jp
TEL:093-475-4182
歯並び 審美 ホワイトニング 親知らずのご相談随時受付。
診療科目:一般歯科 口腔外科 小児歯科 矯正歯科
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