エナメル質形成不全の原因と治療についてBLOG
2021/04/27
●エナメル質形成不全とは?
乳歯や永久歯の表面が周囲の歯と比較して黄色っぽかったり、褐色の部分があることがあります。生えてきたばかりなのに、表面がなんだかでこぼこしている場合、エナメル質形成不全の可能性があります。
下の写真の黄色矢印の部分がエナメル質形成不全の部位となっています。
これは決して珍しいものではなく、永久歯の10%くらいに見られることがあります。さらに乳歯にも発生することがあります。
形成不全という名前の通り、歯の一番外の層に存在するエナメル質が正常通り完成せず、薄くなっていたり出来が悪かったりすることを言います。
エナメル質は人体で最も硬い組織で、噛むのに最も大切である上、虫歯の出す酸に対して最も強い層でもあります。
そのエナメル質が薄くなっていたり、表面がでこぼこになっていることで、見た目が悪かったり、虫歯になりやすいといった特徴があります。
●エナメル質形成不全の原因
原因不明であることが多いのですが、原因とされていることをお話ししたいと思います。
顎の骨の中で歯は作られますので、歯が作られている頃(エナメル質が作られている頃)に発育を阻害してしまうことが起きることで、エナメル質形成不全が生じます。
【全身的な原因】
・栄養障害:カルシウム、リン、ビタミンの不足によりエナメル質が十分に出来上がらなかった。
・発疹や熱性の病気:お腹の中にいるときにお母さんが発疹性・熱性の病気にかかってしまった。もしくは、生後1年前後くらいまでにお子さまが発疹性・熱性の病気にかかってしまうことで、エナメル質の形成が弱くなってしまうことがあります。
・早産:早産で生まれたお子さまにはエナメル質形成不全が多いという報告があります。
・薬物:薬物の種類によってはエナメル質の形成に影響を与えてしまうことがあります。
・遺伝:エナメル質形成不全は遺伝性に生じることもあります。
【局所的な原因】
・乳歯の虫歯:乳歯の虫歯が大きく、虫歯の菌が乳歯の根っこの先にまで侵入してしまうと、永久歯の形成に影響を与えることがあります。
・ケガ(外傷):乳歯をぶつけてしまったことがある場合、乳歯の下にいる永久歯が影響を受けてしまう場合があります。
●エナメル質形成不全に対する治療
①フッ素を塗りながら経過観察
エナメル質が薄くなっているため、フッ素を歯に取り込ませて歯を丈夫にすることも重要です。
フッ素についてはこちらのブログで詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
②シーラント
溝の周囲がエナメル質形成不全の場合、シーラントをオススメしています。奥歯の溝はそもそも虫歯リスクの高い部位となっています。シーラントは歯を削ることなく、溝を埋め浅くしておく治療になります。
少しでも汚れが溜まりにくい状況を作ることで、虫歯になることを予防します。
シーラントに関しては、こちらのブログでお話ししておりますので、ぜひご覧ください。
③でこぼこが強く虫歯リスクが高い場合には、削らずフッ素配合のグラスアイオノマーセメントを置く
削らず、表面のでこぼこを無くすという意味合いが強くなります。グラスアイオノマーセメントという材料を聞いたことのない方も多いかと思いますが、グラスアイオノマーセメントはフッ素を少しずつ放出してくれ、さらにお口の中にフッ素が入ってきたら、セメント内にフッ素を取り込んでくれるという効果があります。
①で説明したフッ素塗布と同じ効果を期待しつつ、表面を滑らかにして汚れが溜まりにくくしていきます。
ただし、噛み合わせの強さによっては、削って埋めているわけではありませんので、取れてしまうことがあります。その場合には再度埋め直す必要があります。
④見た目が悪い場合には、削って埋める・被せる
見た目の悪い場合以外には積極的には行いません。虫歯になっていない以上は削った歯は戻ってくることはないため、しっかりとお話をさせていただき、見た目に影響がある場合には削って埋めることで、見た目を良くしていきます。
①〜④で基本的に経過を見ていきますが、それでも残念ながら下の写真のお子さまのように虫歯になってしまう場合があります。
やはり健康な状態の歯と比較すると、歯の表面がもろく弱くなっています。
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家族みんなのかかりつけの歯医者さん
たんぽぽ歯科・矯正歯科
院長:吉用 卓(よしもち たく)
国立大学 長崎大学歯学部出身
福岡県北九州市小倉南区沼本町1丁目10-2
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歯並び 審美 ホワイトニング 親知らずのご相談随時受付。
診療科目:一般歯科 口腔外科 小児歯科 矯正歯科
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