親知らずを使って歯を移植するってどういうこと?BLOG

2021/02/23

こんにちは!『家族みんなのかかりつけの歯医者さん』小倉南区下曽根のたんぽぽ歯科・矯正歯科の院長の吉用です。

 
・残念ながら歯を抜くことになってしまった
・歯を抜いたまま放置していたけど、歯の検診で何か歯を入れた方がいいと言われた
 
 
ということから、歯を作ることを相談した際、歯科医院では一般的に
 
 
ブリッジ入れ歯インプラント
 
 
という3つの選択肢が一般的に挙げられるかと思います。
 
しかし、実際には歯の移植(自家歯牙移植)という選択肢が存在しています。
しかも、保険が効く場合もあり、費用面でも安心です。
 
今回は、親知らずを用いた歯の移植についてお話したいと思います。
 
 


 

歯の移植(自家歯牙移植)の長所と短所

 

長所

・自分自身の歯を使う

インプラントと異なり、自分自身の歯を使用して移植するため、拒絶反応がほぼなく、自身の治癒力を味方にすることができます。

 

・年齢的な制限が少ない

インプラント治療が行えないような若年層から行うことができる

 

・歯の移植後に矯正での移動ができる

インプラントは骨と結合しているため、矯正治療で位置を移動させることはできません。しかし、移植した歯は、他の自身の歯と同様、矯正による移動が可能です。

 

保険が効く場合がある

残すことができない歯の抜歯後に、親知らずを使用して移植を行う場合は、保険適用となります。

※歯が無い場所に親知らずを移植する場合、保険適用外となります。

 

・噛み心地が自然

インプラントは骨にチタン製の金属が直接埋まっています。しかし、天然の歯も移植した歯も歯根膜と呼ばれる繊維が骨との間に存在しており、細かな食感を感じとることができるのです。

 

・治療費が安い

保険適用なら最終的なかぶせ物までで約15,000円程度(埋まっている親知らずを使用して移植する場合は、トータル約20,000円くらいになります)で、保険適用でない移植でもインプラントと比較すると安くできるのもメリットです。

(当院では移植費用および神経の治療費で20万円+消費税、別途かぶせ物費用が必要となります)

※かぶせ物を保険適用外の種類を選択された場合、上記金額に別途かぶせ物費用が必要となります。

※保険適用外での移植を行なった場合、その後の神経の治療やかぶせ物も全て保険適用外となります。

 

 

 

短所

・抜歯技術

移植に使用する歯の抜歯という操作が必要で、歯の形、埋まっている位置、技術によっては歯の根っこの表面に存在する移植の成功に大きく関わる歯根膜という線維を壊してしまいます。その結果、失敗に繋がってしまうことがあります。

 

・親知らずの歯の根っこの形に合わせて骨を削る必要がある

インプラントでは、規格に一致したドリルで骨を削り、その大きさにピッタリと合ったインプラントを埋めるため、処置内容としても大変シンプルです。しかし、歯牙移植の場合は、そうはいかないため、技術面も大変重要となります。

 

・必ず成功するとは限らない

様々な論文で移植した歯の生存率が報告されていますが、10年後の生存率に関して、歯の移植では80%程度でインプラント(90%)と比較すると若干生存率が低くなっております。歯の移植には親知らずの歯の形や移植先の骨の状況などインプラントにはない、難しさがあります。

これはインプラントとも共通して言えることですが、10年間、何のトラブルもなく過ごせることが、1つの成功かどうかのポイントだと考えてください。

 

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当院における歯の移植の流れをご紹介いたします。

 

① 事前診断、治療計画

お口の中の診察に加え、レントゲン撮影、CT撮影を行い、抜かなくてはいけない歯および周りの骨の状態の把握を行います。そして、成功の鍵となる、移植に使用する親知らずの埋まっている位置、歯の形、サイズをしっかりと確認して、移植の際のシミュレーションを行います。

 

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② 実際に移植を行います

処置時間は1時間半程度です。(麻酔の時間や出血していないかの確認を含めて)

糸で移植した歯を固定して、出血が無いこと、気分が悪くないことを確認したら帰宅していただきます。

 

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③ 処置後2〜3週間程度は糸で固定します

『もっとしっかりとグルグル固定しなくて大丈夫!?』

と思われる方がいるかと思いますが、硬く固定してしまうと、逆に成功率を下げてしまうという報告があり、適度に揺れるくらいの固定の方が成功率が高くなります。

 

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④ 処置後3週目頃から歯の神経に対する処置を開始

歯の移植では、抜歯という操作がある以上、必ず歯の神経は死にます。そのままにしておくと、移植後の炎症が止まらず、移植した歯を身体が異物と認識し、吸収し始めてしまいます(炎症性歯根吸収といいます)。

ほとんどの方では、移植後3週間経過した頃から治療を開始していきます。

この頃はまだ歯は揺れていますが、移植直後と比較すると、揺れの程度も少なくなってきています。

 

⑤ 移植後2ヶ月経過後より揺れ次第で、仮歯の装着

揺れが多少残っている場合には、仮歯で噛み合わせの調整を行いながら、安定するのを待ちます。

 

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⑥ 最終的なかぶせ物の装着

無事、症状もなく、揺れも安定してきた段階で、最終的なかぶせ物を装着していきます。

おおよそ、4ヶ月程度で最終的なかぶせ物が入ることが多いかと思います。

(歯の揺れの落ち着き具合、噛んだ際の違和感や痛みなどの症状によって前後いたします)

 

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上記患者さまの情報

42歳女性

治療期間:4ヶ月

治療回数:8回

治療費:健康保険適用で約15,000円

リスク:移植した歯が生着してくれない。他の歯と比較すると、予後が悪いことがあります。


 

 

● 歯の移植ができない場合

・あまりに親知らずが複雑な埋まり方をしており、親知らずを抜く際に細かく砕くしかない場合

・残すことができない歯が極端に歯周病が進行していることで、周囲の骨が無い場合

・親知らずはあるが、親知らずが重度の虫歯や歯周病になってしまっている場合

・移植に使用する親知らずを抜く際に割れてしまった場合

 

つまり、親知らずがあれば全ての方が移植に利用することができるというわけではありません。

 

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● 歯の移植の症例のご紹介

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先ほどもお話したように、全ての方に歯の移植ができるというわけではありません。
移植に興味がある方、移植ができるかどうか相談したいという方でもお気軽にご連絡ください。
 

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家族みんなのかかりつけの歯医者さん

たんぽぽ歯科・矯正歯科

院長:吉用 卓(よしもち たく)
国立大学 長崎大学歯学部出身
福岡県北九州市小倉南区沼本町1丁目10-2
HP:https://www.tanpopo-kokura.jp

TEL:093-475-4182

歯並び 審美 ホワイトニング 親知らずのご相談随時受付。
診療科目:一般歯科 口腔外科 小児歯科 矯正歯科

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